コーヒーの精製方法と風味の関係について
コーヒーを頼んだ時に、「ウォッシュド」とか、「ナチュラル」というワードを目にしたり、耳にしたりしたことはありませんか?
それらは、コーヒーの精製方法の名前なのです。
今回は、コーヒーの精製方法と味の関係について紹介していきたいと思います。
そもそも精製って何??
私たちがよく見かけるコーヒー豆は、
「コーヒーチェリー」と呼ばれる果肉の種子を焙煎したものなのです。
コーヒーチェリーから種子を取り出したものが、
「生豆」と呼ばれるこのような状態の豆です。
この生豆を焙煎することで、
私たちがよく見るコーヒー豆が出来上がるんですね。
話を戻すと、
コーヒーチェリーから種子を取り出す作業過程のことを
精製と呼ぶのです。
代表的な3種類の精製方法と味の違いについて紹介していきます。
1.ナチュラル
アンウォッシュドとも呼ばれる精製方法です。
収穫したコーヒーチェリーを天日干しすることで乾燥させ、
果肉とパーチメント(やや固い内果皮)を同時に脱穀します。
出展:http://smithcorp.jp/works/coffee/process/
水槽などの特別な設備が必要ない代わりに、
未成熟豆や異物の混入も多く、ハンドピッキングが必要となる精製方法です。
味わいは、複雑でコクのある味に仕上がります。
マンゴーやベリーなどの果物のような香りや甘味を感じたら、
それはナチュラルかもしれませんね。
2.ウォッシュド
コーヒーチェリーを貯水槽に入れ、未熟豆や小石、砂を取り除いた後に
出展:http://persnam.com.tw/
パルパーという機械で果肉を除去します。
さらにそれを発酵槽に入れて発酵させることでミュシレージ(粘液質)を分解し、
水洗いしてから乾燥させます。
水源の多い生産地で用いられる方法で、精度の高い精製方法ですが
設備が必要であったり、廃水の問題もあります。
味わいは、スッキリとした綺麗な味に仕上がります。
ナチュラルで精製されたコーヒーに比べると、シンプルでくっきりとした酸味を感じることが出来ると思います。
3.パルプドナチュラル
パルプドナチュラルは、ナチュラルとウォッシュドの中間のような精製方法です。
パルパーを用いて皮を取り除いた後、ミューシレージが残った状態で乾燥させます。
ミューシレージの残り方によって別の名前で呼ばれることもあり、
80~90%ほど残して乾燥させたものをブラックハニー、
50~70%ほど残して乾燥させたものをレッドハニー、
10~20%ほど残して乾燥させたものをイエローハニーと呼びます。
ちなみに、なぜ「ハニー」と呼ぶかというと、
現地の言葉(スペイン語)で、ミューシレージもハチミツも、
同じ「Miel」という綴りのため、それを英語に直して「Honey(ハニー)」と呼ぶそうです。
パルパーを必要とする精製方法ですが、
ウォッシュドよりも少ない水で精製することが出来ます。
ミューシレージを残せば残すほどナチュラルの味に近づき、
複雑な酸味と甘みを感じることが出来ます。
ということで精製方法の紹介は以上です。
先日飲み比べイベントにて、
全く同じ農園からとれたイエローハニーとレッドハニーのコーヒーを飲み比べたのですが、
同じ農園の同じ焙煎度の豆にもかかわらず、
精製方法で味が全然違いました。
イエローハニーはすっきりとした酸味、
レッドハニーはコクのあるちょっと変わった酸味を感じることが出来ました。
同様にして、
ナチュラルとウォッシュドを飲み比べる機会もあったのですが、
ナチュラルの甘さに驚きましたね。
精製方法って大事なんだなって改めて実感することが出来ました。
あなたも、精製方法を知ったうえでコーヒーを飲むと
より一層コーヒーの味わいを楽しめるかもしれませんね。
それでは、楽しいコーヒーライフを!